巻頭句 巻頭とは?
2021年4月
巻頭句
前田 拓[埼玉]
- ❖ 正月や津軽の海の裏返り
- 寝正月脳の糸屑ありにけり
- 初詣うす目開けたる子どもかな
- ❖ 読初や栞代りの正誤表
- 関節の怠けてゐたり初仕事
次巻頭
春野 温[新潟]
- ❖ 老いてなほ恋しき春のフェルトペン
- 栞挟むやうに蓬を摘みつ空
- 春障子越しの頭のほの明かり
- 雲雀飛ぶ古き首飾りの真珠
- ❖ 春セーター項に残る剃り跡よ
三席
内田 百子[東京]
- 枯枝へ吊すランタン日曜日
- 待春や千手千足観世音
- 春寒の生垣抜けし始業ベル
- ❖ 師の駅の三分停車寒の星
- ❖ 焼豚のタコ糸ほどく寒暮かな
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)