巻頭句 巻頭とは?
2021年5月
巻頭句
河野 幸子[神奈川]
- ❖ 三・一一曾良の日記の日和山
- ❖ 地震十年の眼下に
拓 く造成地 - 切りぬきの「一利」の声や遠霞
- 鴫立庵の「秞子」旅立つ春の雪
- 自転車の転倒二度目木瓜の花
次巻頭
柳澤 京子[埼玉]
- ❖ 三・一一あの刻に佇つ駅ホーム
- 赴任地へ送る別れや春の雪
- 合格をラインに祝ふ自粛の日
- 下萌ゆる朽葉の命引き継げり
- ❖ コロナ禍の地球の闇へ春満月
三席
奥平 黎[神奈川]
- ❖ 啓蟄やスキンヘッドの傷ひとつ
- ❖ 点滅の信号こぶしひとつ咲き
- 春浅しブラスバンドの音合せ
- 小刻みに翅休めゐし春の蠅
- 啓蟄や朝空高くISS
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)