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俳句はじめてQ&A

このページでは、俳句の基本や初心者が知っておきたい情報について、Q&A形式で解説しています。俳句の魅力に触れ、自分も詠んでみたいと思う初心者の方々に、俳句の世界への一歩を踏み出していただけるよう、わかりやすく説明しています。

俳句とは何ですか?

俳句は、日本の詩形の一つです。言葉を、5音・7音・5音のリズムに乗せて、合計17音で表現します。言葉の中に一つだけ「季語」を入れることが基本のルールで、この「季語」を上手に使って季節や風土や生活や人の感情を表現します。

俳句の歴史はどのようなものですか?

俳句の基礎が作られたのは江戸時代、松尾芭蕉がそれを作ったと言っていいでしょう。明治時代になって正岡子規が文芸の一部門として独立させ、高浜虚子が全国の大衆に広めました。

俳句の世界で有名な作家(俳人)は誰ですか?

俳句の世界で有名な作家(俳人)のイメージ

有名な俳人には、松尾芭蕉や与謝蕪村、小林一茶、正岡子規などがいます。彼らは、それぞれの時代で俳句の新しい形を築き、多くの名作を残しました。
それぞれの代表作をあげてみます。

松尾芭蕉
古池や蛙飛びこむ水の音

与謝蕪村
春の海終日ひねもすのたりのたりかな

小林一茶
我と来て遊べや親のない雀

正岡子規
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

高浜虚子
遠山に日の当たりたる枯野かな

水原秋桜子
冬菊のまとふはおのがひかりのみ

加藤楸邨
鮟鱇あんこうの骨まで凍ててぶちきらる

石寒太
かろき子は月にあづけむ肩車

俳句というものを読んでも、意味の分からないことが多いのですが。

たしかに俳句には、読んでも意味を理解するのが難しいものもありますが、俳句の意味を捉える方法の一つとして自句自解(作品についての作者による解説)を参考にしてみるというのがあります。
作者の自句自解を参考にすることによって「作者の意図」や「言葉の選び方」などを知ることができ、より深く俳句を知ることができます。例として炎環主宰・石寒太の自句自解をいくつかご紹介します。
ただし、俳句は読者自身の解釈や感じたことがとても大切です。もし、あなたの率直な感想が、作者の意図と異なったとしたら、それは、あなたが俳句のことをわかり始めた証拠です。

ふるさとへぐんと近づき雪解富士
私のふるさと伊豆の春はまず雪解富士を仰ぐことからはじまる。新幹線の右窓から富士が見え始めると、ああ、ふるさとへ帰って来た、その実感がするのだ。 季語:雪解

ふるさとへ𠮟られにゆく桃の花
まだ、母が元気で頑張っていたころ、いつも自分は「叱られにゆく」と思いながら出発したもの。桃の花も満開のふるさとへ。 季語:桃の花

かごめかごめなんぞなく暮るる子供の日
このごろはコンピューターやテレビゲームと子どもの遊びも変わってきた。昔のような「かごめかごめ」を唄う子どもも少なくなった。 季語:子供の日

子のぬぎし月夜のサンダル裏ばかり
元気な子どもたち。夕方外から帰ってきたサンダルは、ぬぎすてて裏ばかりに散らばっている。外は満月。子どもたちの幸せを祈るばかりである。 季語:月夜

残り菊嗅ぎてつくづく猫の鼻
そろそろ菊も残り、残菊の季節が近づいた。庭を歩く猫も、その菊の香を嗅いで満喫したのか、しばらくすると姿がみえなくなった。 季語:残り菊

俳句って簡単につくれますか?

簡単につくれます!五・七・五というリズムで言葉を並べればいいのです。
これは小学生にもできます。下は小学生が作った俳句です(毎日小学生新聞「きらり一句」より)。

雪どけが もうすぐそこに せまってる
いもうとと はじめていわう ひなまつり

また、最初はだれかの俳句をまねしてみるというのも一つの方法です。
たとえば炎環の主宰である石寒太の句をまねしてみてはどうでしょうか。俳句作りを楽しみながら、少しずつ自分のスタイルを見つけていきましょう。

季節の言葉(季語)を入れたほうがいいですか?

季語のイメージ

ぜひ入れてください。これも簡単なことです。
適当な言葉が思いつかなければ、そのときの季節(春、夏、秋、冬)をそのまま入れればOKです。

炎環主宰・石寒太の句をいくつかご紹介します。

父島と母島結ぶ春の海
スクランブル交叉点赤春の月
泣きまねのつもりいつしか泣きて夏
落書きのKのかすれや夏の壁
チャップリンの靴うらがへり秋の雲
秋風や父の怒りのなつかしき
空港はひかりの巣箱冬来る
人の死にささやくばかり冬の川

季語をもっと知りたい方は 寒太編著『ハンディ版よくわかる俳句歳時記』(ナツメ社)がおすすめです!
春夏秋冬の1年分が1冊にまとまっていること、写真が豊富で視覚的にイメージしやすいこと、現代的な季語も含め6,630語も収めていること、本のサイズが小ぶりなので持ち歩きに楽なことなどが、類書にはない特徴です。

俳句が分かるようになるには、どうすればいいですか?

自分でも俳句をやってみることが、いちばんの近道です。
「俳句をやる」とは

①自分で俳句を作る。
②作った句を、俳句の分かる人に見せる。
③人の俳句を読む。
④自分の俳句や人の俳句について、俳句の分かる人たちと語り合う

こういうことをやっているうちに、俳句がだんだん分かってきます。
上記のことを、効率的に行えるのが句会です。
炎環では全国30ヵ所で句会を定期的に開いています。ぜひ一度炎環の句会を体験してみてください。
句会の詳細をみる

自分の俳句を人に見せる方法は?

炎環の句会での発表の様子

炎環に入会して、雑誌に投稿すると、必ずそれが掲載されて、主宰の添削も受けることができます。
また、炎環が実施している句会に参加することで自分の作った俳句を発表することもできます。他の俳人からフィードバックをもらい、俳句に対する関心やモチベーションが高まります。
句会の流れについて「句会の流れ」で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

俳句の入門書でおすすめはありますか?

石寒太著『実践!すぐに詠める俳句入門』(日東書院)をお勧めします。
俳句の作り方、名句の読み方、句会の効用などが具体的に分かりやすく書かれています。
石寒太主宰と夏井いつきさんとの対談も載っていて、「作った句を恥ずかしがらずに人に見せよう」「自分に俳号(ペンネーム)を付けよう」「普段使っている易しい言葉に思いを込めて作ろう」など、やる気を起こさせるたくさんのヒントに出会えます。

おすすめの俳句講座はありますか?

たくさんの講座がありますが、とくに以下がお勧めです。
「毎日文化センター」毎日新聞社(東京・地下鉄東西線「竹橋」)1階
■石寒太の「俳句」講座(第2・4土曜日10:30~12:30)
 随時入会可能、受講料15,000円(3か月分前納)
■市ノ瀬遙(炎環同人)の「俳句入門」講座(第1・3火曜日18:00~20:00)
 随時入会可能、受講料14,520円(3か月分前納)
 https://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/