巻頭句 巻頭とは?
2021年3月
巻頭句
西脇 あす香[神奈川]
- ❖ クリスマスツリーのあをきL E D
- 初氷厚さ確かむ棒の先
- 人日や言ひたきことの言へぬまま
- 煙突のけむり真つ直ぐ七日かな
- ❖ 真鍮のペーパーナイフ雪催
次巻頭
前田 拓[埼玉]
- ❖ 風邪の子に握られてゐる小指かな
- ❖ 出席簿風邪の子に引く斜線かな
- 冬木の桜ゆつくり溶ける塩の粒
- かたさうな皮の冬芽の鼓動かな
- 指先のチョークの粉の冷たさよ
三席
春野 温[新潟]
- 星澄みてサイドミラーの氷りけり
- ❖ 輪をはなれ歌ふ子ひとり年忘れ
- ひしひしと腕をはさめて布団かな
- 冬帽の毛羽星々を負ふて立つ
- ❖ 老いてなほこのセーターを撮る写真
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)