巻頭句 巻頭とは?
2021年1月
巻頭句
春野 温[新潟]
- ❖ 立冬の鍵かたく吊るうなじかな
- 酉の市見世物小屋の飛沫あり
- ❖ 冬りんご電波時計の狂ふ町
- 浮き足の立つてオリオンばかり向く
- 金目鯛消毒液の銀の匂ひ
次巻頭
土谷 紗古[東京]
- ❖ 二年振りに君笑ひけり秋の雨
- ❖ 輪郭のやはらかき部屋秋の昼
- 猫越しに見ゆる秋の日眼閉づ
- 立冬のコンクリートの増しし町
- あの歌詞の意味の解かりし冬の空
三席
根岸 幸子[埼玉]
- 七代目の不明の蕎麦屋照紅葉
- ❖ こころの電話セイタカアワダチサウ
- ❖ パンケーキへゆつくりバターの溶けて秋
- 霜降や丸窓二個の治療院
- 老犬と坂の紅葉を浴びに行く
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)