巻頭句 巻頭とは?
2020年12月
巻頭句
山内 奈保美[東京]
- 国分寺址の小さき社小鳥来る
- ❖ 草雲雀遠くをテールランプ消ゆ
- ❖ 波高き殉教の島鷹渡り
- 墨の香の筆先匂ふ良夜かな
- 行く秋や海草からむ波の音
次巻頭
内野 義悠[埼玉]
- 二百十日児の触れたがる無精髭
- 御神馬の耳引き絞り大野分
- ❖ タグ付きしままのパジャマよ小鳥来る
- ❖ 消印の知らぬ町の名流れ星
- ジョーカーに触るる指先蚯蚓鳴く
三席
寺田 ゆり子[静岡]
- 落葉踏み分厚きドアの無言館
- ❖ 冬館召集令状遺りをり
- 裸婦像の百号未完暮早し
- ❖ 冬日差し小さき手帳の小さき文字
- 自画像のどれも正面春待てり
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)