巻頭句 巻頭とは?
2020年11月
巻頭句
菅原 輝子[神奈川]
- 秋天へ生の証の肌着干す
- ❖ 安楽死の犬の帰宅よ秋の風
- 鼻高き夫の遺影よいなびかり
- ❖ 投函のあとの安らぎちちろ虫
- ままごとのいつも悪妻青みかん
次巻頭
土谷 紗古[東京]
- 金色にゑのころ草の揺るる町
- 切り売りの西瓜のふたきれの軽さ
- ❖ 白粉花匂ふ初潮の日の記憶
- 威銃マンションばかり見ゆる窓
- ❖ 諦めしはずの願ひよいなびかり
三席
毛利 すみえ[東京]
- 八月や両手たつぷりシャボン液
- ❖ 同意書の捺印ふたつ秋夕べ
- 口笛の自転車過り涼新た
- ❖ 秋暑し年齢詐称するレ点
- 新妻の白きエプロン糸瓜水
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)