巻頭句 巻頭とは?
2020年10月
巻頭句
渡邉 隆[埼玉]
- 炎天の左官の鏝の筋目かな
- ❖ さるすべり部員ふたりの拳闘部
- サイダーや射的の店の無愛想
- ❖ 片耳はジャズにあづけし夜の秋
- 朝顔や不登校児の家の前
次巻頭
菅原 輝子[神奈川]
- アイロンの驚く音よ汗の玉
- ❖ 弟の届かぬ棚へ兜虫
- 出奔の猫の貼り紙梅雨明ける
- ❖ 本籍は仇野なりし女郎蜘蛛
- 供出を逃れし茶釡敗戦日
三席
福田 泉[東京]
- ❖ 梅雨深し吾子とアヒルのお風呂かな
- 六本の乳歯歯ぎしり梅雨晴れ間
- ❖ 蜩のヴェールを抜けし子とふたり
- 盆の月新幹線の夫ひとり
- しつとりと寝る子と夫と我涼し
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)