巻頭句 巻頭とは?
2020年9月
巻頭句
副田 氷見子[福岡]
- 過去帳に増えし父の名夏の雲
- ❖ 夏の風我にささやくLet it be
- ❖ 失ひて見ゆるものあり木下闇
- あの庭に今朝も咲きしか七変化
- 大いなる力見せつけあばれ梅雨
峰村 浅葱[東京]
- 油虫餓死か天向く腹薄し
- 日がな叩かれし西瓜の売れ残り
- ❖ 怒るほど貌のをかしき心太
- 朝顔や路地若衆の気の揃ふ
- ❖ 楸邨忌浅間大きく息吐けり
三席
佐藤 繁正[新潟]
- ❖ 父の日にもらふ壇蜜写真集
- ❖ 花いばら老いに残りし戀ごころ
- 句友来てトマトの脇芽摘みにけり
- 夏燕自宅出棺叔母卒寿
- 七三一の猿の頭痛や夏の闇
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)