巻頭句 巻頭とは?
2020年8月
巻頭句
内野 義悠[埼玉]
- ❖ 麦秋の始点仏蘭西料理店
- 猫除けのボトルの濁る薄暑かな
- 撫で牛の鈍き光沢緑さす
- ❖ 走り梅雨既読のつかぬメッセージ
- 大南風背番号なき三年生
次巻頭
内田 百子[東京]
- ❖ 頰杖やぐわらぐわら落つる夏夕日
- ももいろの猫の肉球涼しけれ
- 病室の眼下の橋の日傘かな
- 明王の六面六臂梅雨に入る
- ❖ 日盛りの上野の杜の匂ひかな
三席
渡邉 隆[埼玉]
- 初鰹終の住家に海のなし
- ❖ 鎮魂の裸像の若し青葉風
- ❖ ラフマニノフ聴くまひまひを目の端に
- あめんぼう雲にとまつてゐたりけり
- 蟻地獄皿のソースをパンにつけ
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)