巻頭句 巻頭とは?
2020年7月
巻頭句
岡本 葉子[埼玉]
- ❖ 母の掌へ除菌スプレー暮の春
- 山古志のひかりの飛礫花あけび
- 凸凹のマスクの縫ひ目桜まじ
- ゆく春や講習のドア開け放ち
- ❖ 白藤や書棚の奥の土佐日記
次巻頭
宮内 久子[神奈川]
- Tシャツのローマ字差別用語かな
- 茉莉花の香精一杯の自己主張
- ❖ 公園はママの戦場額の花
- ❖ 柩より御魂ひらひら黒揚羽
- 黴兆す遺品のひとつ捨てられず
三席
永田 寿美香[福岡]
- 防人の島へ辿りし花卯木
- 桜蘂降りてたぢろぐことのなし
- ❖ 囀りやジグソーパズルの空と海
- ❖ 青胡桃この不発弾踏まぬやう
- 春陰や遅れ気味なるオルゴール
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)