巻頭句 巻頭とは?
2020年6月
巻頭句
小林 根菜[東京]
- ❖ あいまいな妻の平熱春ともし
- ❖ コロナ裡の花の奥より戻りきし
- 声掛くる花人の無き昼の月
- 堅香子やこの先清瀬療養所
- 鏡の中の灰色マスク竹の秋
次巻頭
内野 義悠[埼玉]
- 産気づく馬のいななき雪解風
- ❖ 春愁やカナリア色の西武線
- サイネリアきみの言ひ訳聞きてゐし
- 囀りの降るふるストロベリーパフェ
- ❖ 飛花落花突つ立つてゐるフラミンゴ
三席
酒井 弥太朗[神奈川]
- ❖ 江の島の波のトレモロ鳥雲に
- 柿の芽や坂の途中の和菓子店
- シネコンの閉ぢられしまま春の果
- 花ふぶき快音のなきグラウンド
- ❖ いきてもうあへぬだらうか花筏
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)