巻頭句 巻頭とは?
2020年5月
巻頭句
戸塚 純一[埼玉]
- ❖ 田打の畔肥料袋の燃え残り
- 商店街の廃業二店猫の恋
- 母の忌のいとど目さゆる涅槃西風
- 菜の花畠悪餓鬼どもの古写真
- ❖ 途中下車へひと駅歩む桜の夜
次巻頭
松橋 晴[東京]
- ❖ 安息のこぼるるばかり花菜雨
- 語り部の巨大堤防とかげ出づ
- ❖ 彼方より見えぬ土降る線量計
- 人の間の咳とマスクよ鳥曇り
- 地野菜の見知らぬ呼び名山笑ふ
三席
酒井 弥太朗[神奈川]
- 薄氷やプレパラートの小さき泡
- カラフルな女子の作業着冴返る
- ❖ 頓着せぬと決めし朝よ牡丹の芽
- ❖ 混沌の春へミサイル撃つ国ぞ
- よしよしよし子猫ハモニカ聴かせるよ
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)