巻頭句 巻頭とは?
2020年3月
巻頭句
寺田 ゆり子[静岡]
- ❖ 炎環の背表紙揃ふ師走かな
- 両の掌の祈りまろまる鏡餅
- 福引の旅行親しむはや三日
- ❖ 宿帳の美しき草書や鳥総松
- 退会の便箋五枚しづり雪
次巻頭
北川 光春[群馬]
- 初春の赤城榛名も風のなか
- ❖ 妻よりも少しすくなし初便り
- 子ら揃ひ白菜煮ゆる鍋の底
- ❖ 坂道を登る白息また白息
- 釣銭の転がつてゆく枯木道
三席
峰村 浅葱[東京]
- 短冊の太字黒ぐろ初句会
- 雨後の葉の旨し蜻蛉舐めゆけり
- 新札を扇に開き初仕事
- ❖ 怒り泣きやがて笑ふ子息白し
- ❖ 近道に灯なし人なし初詣
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)