巻頭句 巻頭とは?
2020年2月
巻頭句
伊藤 ゆう[静岡]
- ❖ 柊の棘ゆるみゆく冬うらら
- 仲冬や何につけてももらひ泣き
- 凍瀧のその淡き青吾を染めし
- 遠山の一番星よ菜を洗ふ
- ❖ 麒麟の尾つかみて天へ夢はじめ
次巻頭
甲斐 りん[千葉]
- ❖ 柩置くやうに指先札納
- 煤逃げの客よく笑ひフランス座
- 朝刊を取りて昨夜の柚子湯かな
- 着ぶくれしままのギャラリー二三分
- ❖ 坐りよき落款印や冬椿
三席
永田 寿美香[福岡]
- ❖ 寒鴉中村哲の非戦論
- 茶の花のひとすぢといふ白さかな
- 綿虫やジャララバードの道はるか
- ❖ 冬の鵙九条第二章大事
- 銀杏踏む大音響の石畳
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)