巻頭句 巻頭とは?
2020年1月
巻頭句
村内 徒歩 [千葉]
- 黐の実の真つ赤『屍の出でゆく門』
- 石田波郷の迷路の墓よ花りんだう
- ❖ 俳句一本に生きし波郷よ草の花
- 波郷墓洗ふ両手の虚ろかな
- ❖ 波郷・修大の病よ冬の一樹かな
次巻頭
永田 寿美香 [福岡]
- ❖ 身に入むや好きも嫌ひも女偏
- ❖ てのひらのアサギマダラよ普賢岳
- 百年の執行猶予蚯蚓鳴く
- 湯豆腐や風音やがて父のこゑ
- コスモスの揺れて太初の空揺らす
三席
田辺 みのる [東京]
- バリアフリーへと畳は撤去障子貼る
- ❖ 山霧のなだれ輪郭あはき時間
- ❖ 明日の輪郭掌のつつむ林檎の重み
- 雪迎へビル清掃の命綱
- むささびの影光年の星ひかり
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)