巻頭句 巻頭とは?
2019年12月
巻頭句
大西 ぼく太 [神奈川]
- ❖ 浄念寺への黒塀通り薄紅葉
- 爽籟や山居倉庫の二重屋根
- 乙宝寺の独鈷の水や初紅葉
- ❖ 本間家の伏龍の松昼の月
- 五俵背負ふ女丁持雁渡し
次巻頭
副田 氷見子 [福岡]
- ❖ 手渡さるる面会カードあきざくら
- 転院の決まらぬままよ十三夜
- 哀しみをきつぱり流し秋の雨
- ❖ 星飛ぶや明日への一歩まづ前へ
- 今年米そろそろ夫の帰るころ
三席
せき みちこ [東京]
- ❖ シウマイの五つ一列秋うらら
- 太陽の塔の刮目黄落期
- 栗飯の塩や婚家の黒電話
- 公国の鷲の紋章秋澄めり
- ❖ 口固く結びイコンの母子や秋
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)