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炎環の俳句

2019年度 炎環四賞

第二十四回「炎環新人賞」記念作品

せき みちこ

愛日

受賞のことば

次女が一歳八か月となった。なかなか歩かないと思っていたが、歩き出してから走るまではあっという間だった。ちょこまかと駆け回り、家中のビニール袋を引っ張り出し、ありとあらゆる蓋を開き、長女の工作を引きちぎり、まぁやりたい放題である。聞き分けのよい長女に助けられているが、彼女にもこんな時期があったことは、もう思い出せない。

母業二年目の途中くらいまでの記憶は曖昧になってしまったが、毎朝毎夕、せっせと葡萄の皮を剝いた秋があった。出勤前は結構な手間だと感じたが、「ぶ!ぶ!」と片言で飛んでくる要求に応える楽しさがあった。時は流れて数年後の今も、私は葡萄を剝いている。「う!う!」次女は脚韻派なのである。

ことのほかみどり葡萄を剝きたれば

この度は新人賞にご推薦いただきまして、ありがとうございます。なかなか句会にお伺いできない中、大変励みになりました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。