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句会情報

句会レポート

第2回炎環全国俳句大会 in 鎌倉 2019年4月

2019年6月30日 00:00

記・高橋 透水

円覚寺

四月七日歴史ある鎌倉の地で、第二回炎環全国俳句大会が開催された。関東のみならず遠方からの参加者を含め総勢百七名となった。

前日から宿泊した参加者は、円覚寺・八幡宮や高徳院の大仏、また、長谷寺・極楽寺など史跡や仏閣を吟行し、また当日からの参加者も朝早くから江ノ電を利用して寺社や海辺を散策するなど意欲的に句会に臨んだ。

句会の会場は由比ヶ浜に近い「KKR鎌倉わかみや」で、午後一時から盛大に開催された。まず地元「鎌倉句会」の丹間美智子さんの開会挨拶の後、石寒太主宰の挨拶があった。また今回の鎌倉での大会にあたり、綿密に計画された伊藤航さん、地元鎌倉句会の丹間美智子さんの多大な支援のほか準備に協力されたスタッフに労いと励ましがあった。さらに次回の大会に向け、更なる充実を期待したいとの言葉があった。

式次第

司会一同

続いて谷村鯛夢同人会会長、丑山霞外編集長の挨拶があり、いよいよ句会が開始された。清記用紙が配布され互選は五句、内一句特選の選句となった。司会は竹内洋平さん、披講は大原貴彦さんと常盤優さん。主宰選は天地人のほか特選五句、本選十句、予選二十六句となった。

主宰選評後、天地人・特選・本選の表彰があり、受賞者の記念撮影が行われた。今回は時間の関係で互選での名乗りはなく、終盤に作品番号と作者名記載の別紙が配布された。最後に一ノ木文子さんの閉会の挨拶があり句会は滞りなく終了となった。

休憩後の懇親会の司会は前島きんやさん。主宰の開会の挨拶があり、超遠方参加者(松山市より武知眞美さん、福岡市より永田寿美香さん)が紹介され、二人から鎌倉の印象などの話があった。歓談は、市ノ瀬遙さんの乾杯の音頭で始まった。歓談の合間に吉川久子さんのフルート演奏があり、またフリートークの時間には丹間美智子さんより地元鎌倉句会員の紹介、たむら葉さんから今年の高津全国俳句大会などの話、三輪初子さんから最近話題の映画作品の、新潟より参加の北悠休さんから炎環の地方句会への関わり方の話などがあった。

懇親会

懇親会の時間はあっと言う間に過ぎ、伊藤航さんの閉会の挨拶及び三本締めで締め括られた。天候に恵まれ暑いくらいの会場だったが、それ以上の熱い句会が催され、懇親会も和気藹々のなか盛会のうち無事終了した。

実行委員長の伊藤航さんはじめ「鎌倉句会」の方々、案内・受付・清記各担当、書き役、コピー・配布役、式次第筆書役のほか、大会運営関係者、そして参加者のすべての皆様、本当に有難うございました。

句会結果(選:石 寒太主宰)

天地人

蝶と海の色、大小のコントラストが良い。またこの蝶は何の象徴か、また鎌倉の海へ行ってどうなったのか、想像が広がる。

作者の気持ちが率直に出ていて、個性的な句になっている。こういう桜の句があっても面白い。

鎌倉まであと踏切二つ、とはやる作者の気持ちが江ノ電の窓外の燕の飛翔と交響していて良い。

特選 5句

やぐらの表面の荒々しさと初音の初々しい柔らかな声の配合で生き生きした句になった。

寿福寺の虚子らの墓へ色鮮やかな黄蝶が飛んできて、ぱっと明るくなった感じが良く出ている。

鎌倉には、そのために歴史的神社仏閣がある。空爆という陰と花の寺という陽の対比が良い。

新元号の令和の令を用い、良い月(四月)の吉日とした。花楓の紅さが見えて良い句になった。

吟行は、家の出発から始まる。投票をしてから鎌倉へ、の真伨な気持ちには朝ざくらが良い。

本選 10句

(他 予選26句)

 

 

「炎環」は、主宰・石 寒太(師系・加藤 楸邨)の指導の下、心と言葉をひとつにした「心語一如」の精神をめざす、有季定型・旧仮名遣いを基本とする俳句集団です。俳句に興味のある方、句会に参加してみたい方、どなたでも歓迎いたします。