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炎環の俳句

主宰句

2022年9月

月光抄 ( 九 )

石 寒太

  • 梧桐や鴨居の新しき遺影
  • 叱らるることなくなりぬ雲の峰
  • 朴の花楸邨の雲流れをり
  • くれなゐの空蟬ひとつ机上かな
  • てのひらに受け玉虫と思ひをり
  • 通帳の残額五円夏の雲
  • いつまでも尺取虫の途中かな
  • 追伸に病のひとつ夏季見舞