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炎環の俳句

ピックアップ同人句 同人とは?

2021年11月

来世で

岸 ゆうこ

  • つやつやと尻の張りたる茄子の牛
  • よき処にミシュランの星冷し酒
  • 星迎へ来世で一緒になりませう
  • コロナ滅すまで欲しがらず夏了る
  • 猿廻しの猿の背中の秋思かな

飽き

西川 火尖

  • 小鳥来る捨てる玩具を袋詰め
  • 金秋や房掛けに吊る革ベルト
  • 天の川妻に時計を借りにけり
  • 星飛んでもう飽きてゐる子供かな
  • 早食ひの選手次々花野に着く

草の色

壬生 きりん

  • 一途なる願ひのひとつうめもどき
  • 産院のとなり教会葛の花
  • まつすぐに来し鬼やんま草の色
  • 帰り径やはらかな箒木に触れ
  • 逞しき門の一本明治草

今朝の秋

三橋 瑞恵

  • 蜂蜜の残る一滴今朝の秋
  • 蜩の鳴いて暇のきつかけに
  • 秋めくや再び鷗外短編集
  • 頑張らぬ老年体操秋めけり
  • 秋の蟬保険勧誘お断り

刻<35>

辺見 みち代

  • 立秋や心理テストの一問目
  • 助手席の1 8 0 度雲の峰
  • 終戦日ひときは星の瞬けり
  • 秋晴れや杖を忘れて三歩ほど
  • 豊の秋頰張る子等の笑顔かな

野々花通信(2)

村内 徒歩

  • 仏歯寺の赫き本堂九月空
  • 落人の裔の祖母ゐし稲の花
  • かりがね寒きジグソーパズル未完
  • 雁渡し階段国道3 3 9
  • ひとり居のひとり九月の乳房かな


同人とは?

炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。

このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら