ピックアップ同人句 同人とは?
2019年7月
にはとり
吉田 悦花
- 抱き上しにはとりの胸若葉風
- 初夏のにはとりのこゑ令和かな
- 産み立ての卵とごはん夏はじめ
- 上下する朝礼の肩薄暑かな
- 梅雨兆す硝子の皿のうすみどり
役所の弔辞
添田 勝夫
- 棒読みの役所の弔辞あたたけし
- いちめんの菜の花お茶にしませうか
- 草餅やノーベル賞に遠くゐて
- 平成のをはりを桜隠しかな
- 立ち止まり立ち止まりして花筏
半仙戯
丑山 霞外
- 徐々に徐々に「令和」の気分半仙戯
- 弥勒菩薩半跏思惟像柿若葉
- 改元の御髪豊かや樟若葉
- エコール・ド・パリの二人や花ミモザ
- 新緑や木陰の椅子の二つづつ
ギャラリー
飯沼 邦子
- 割印をきれいに押して遅日かな
- 桜蘂降るや決裁下りぬまま
- 水平の危ふくありし暮春かな
- ギャラリーの大きな余白五月来る
- 駅からはシェア自転車を若葉光
紋黄蝶
三橋 瑞恵
- 紋黄蝶基地の金網つづくつづく
- 夏近し簡略二行近況欄
- 柿若葉血液検査× ひとつ
- 蒲公英や近付いてくる選挙カー
- 完成へ動くクレーン鳥雲に
夏うぐひす
保坂 螢
- 駅階段に「消費カロリー」春惜しむ
- 鉢山吹涸れしインクの考のペン
- 白つつじ新元号の朝の刻
- 病棟のをんな三人柏餅
- 玻璃込めのJICA食堂夏うぐひす
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)