ピックアップ同人句 同人とは?
2019年5月
壬生菜
萩尾 亜矢子
- 花粉症だけをもやひの夫婦かな
- 水の春いつもの山の遠く見ゆ
- 瀬戸内のいかなご金銀砂子かな
- 指の腹知るや壬生菜の塩加減
- 平成と重なる句歴松の芯
三月
山口 紹子
- 詩ごころよ目覚めよ今朝の梅ま白
- 淡雪や左手で弾くブラームス
- 地震の日の空のあをさよ花ミモザ
- 三月や夕べの鐘の空へ溶け
- 三月や祈りのやうに雨降れり
回診
結城 節子
- 洗ひたる犬の身震ひ春来たる
- 玄関の猫の入口梅の花
- 玄関に朝日差しきし豆雛
- 早春や回診を待つ四人部屋
- 信号の次の信号花の闇
壌歌(七一)
宮田 孝平
- 山桜雲の大きく息しより
- 春の風少女の舌を濡らしをり
- 木蓮のかたき蕾の明けそめる
- 鉄橋の大きく曲がり春の山
- 裏声で歌ひし校歌卒業す
梅の花
中川 志津子
- 全焼の柱の五本梅の花
- 猫の目の宙を游ぐよ春隣
- 探鳥の話つづくよ桜の芽
- 白壁のつづく街道野水仙
- 真夜中の空腹すこし春の雪
春の闇
永友 萌
- 手鏡に姿見のぞき春兆す
- 黒川紀章の丸窓キューブ春立てり
- 春疾風くるくるぐるり山手線
- 愛の日や北欧柄のマグ三つ
- 赤パンの男振り向く春の闇
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)