ピックアップ同人句 同人とは?
2019年4月
遊人句日記抄
島 青櫻
- 良寛忌越後へ傾ぐ七つ星
- 風花や還り来ならば此処がよし
- 弓彦も鬼覚も居りし今朝の春
- 客人と主のあはひ梅にほふ
- 物の皆常なる過客春の雲
家系図
三角 千榮子
- 水底にとどく日ざしよ石蕗の花
- 家系図の中のわが名よ夜の雪
- はなびら餅のごばうの香り冴返る
- 春近し駅舎に小さきカフェテラス
- 「空とぶふしぎ」探す回路や冬木の芽
違ふ径
壬生 きりん
- 梅白し産院へゆく始発バス
- 初空へひとつ大きく息を吸ひ
- 空青し少し遅れて初詣
- 違ふ径来ても会ふ人ピラカンサ
- 鏡中の気がかりひとつ春の星
草に雪
山岸 由佳
- 草に雪沁み手のひらのやはらかい
- 紙コップに指の透けつつ初蝶来
- 傘越しに階段見ゆる春の雪
- 淡雪の眼に入りたる昏さかな
- ひゆるひゆるひゆる夜の明けたり雛祭
六郷満山
高山 桂月
- 大堂を暗き窓より枝垂梅
- あをによし六郷満山春立てり
- 梅二月三大文殊諸説あり
- ひと息に鬼の石段冬雲雀
- 癌の部位記す形代木の芽風
酒二合
冨田 蘭介
- 如月の雨待ちわびし酒二合
- きさらぎの空へグーパー赤子の手
- 梅一輪活けある小さき句会かな
- 老ゆること生きることなり梅三分
- 搾り切るチューブ歯磨き寒明ける
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)