ピックアップ同人句 同人とは?
2018年11月
初さんま
野崎 タミ子
- 初さんま口先揃へ東京へ
- 赤とんぼ何か拾ひし水の面
- カピバラの背中見てをり秋黴雨
- 苺茸の紅のいきいき雨上がる
- 盲導犬放たれ花野ひとりじめ
しんてい
增田 明美
- 潮風のとどく厨や鯵さばく
- 少年の瞳となる漢恋蛍
- 永代供養の霊位なるかな百合宇宙
- 失敗の予想するくせ鳳仙花
- 轟かせ心底あかす男瀧かな
双子の星
こがわ けんじ
- 青蜜柑妻との愁ひ異にせり
- 新涼や「双子の星」を読み聞かせ
- 鳳作忌たましひ碧く澄ましつつ
- 露けしや母の寝息と共鳴す
- 馬をらぬ曲り屋ひとつ蕎麦の花
ご降嫁の道
竹市 漣
- 門前のご降嫁の道桐は実に
- 結界の秋の風鈴いそがしく
- 廃校の架線の碍子赤とんぼ
- 留守電の赤の点滅桐一葉
- 狛犬の歯の治療痕萩の風
つづれおり
水沢 水音
- おかつぱの8ミリの君葉鶏頭
- 茄子染めの浮き上がり父のおもかげ
- 母が見し父は父かなかなかなかな
- 月あかりに砂文字さらふ波のこゑ
- 丁寧にふたり綴りし良夜かな
要11
松本 美智子
- 炎天へ音の転がるキャリーバッグ
- 三葉虫蛇腹にたたむ秋思かな
- 捨てらるる泥水の家鰯雲
- 地図に無き毒ガスの島小鳥来る
- 城壁の石の凹凸昼の虫
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)