ピックアップ同人句 同人とは?
2016年6月
春の駅
丹間 美智子
- 鳩よけの棘を増やして春の駅
- 春昼やお子さまランチの星条旗
- あたたかし野飼の鶏の高く飛び
- 白魚のすこし泳ぐや椀の中
- 花冷や鏡に新顔美容師と
小さきもの
一ノ木 文子
- くちびるの小さく動きクロッカス
- 立入禁止大廻りして花きぶし
- 春蘭やだんだん深くかがむ膝
- 春宵の綺麗にたたむ箸袋
- ものの芽へものの芽のかげあふれけり
去々来々(82)
市ノ瀬 遙
- 涅槃図のなかの羽音の聞こえけり
- 春の雷無言にジビエ料理かな
- あと少し花の下にて息をせむ
- 永き日や頭の中の鳩時計
- 虚子の日に虚子の闘志を思ひをり
花見
片岡 宏文
- 永らへて手荷物検査付き花見
- 初桜厳しく老いし幹の形
- なにか恐ろし散る気配なき桜
- 頼もしき薬缶の重さ花見酒
- 猫呼べる声の柔らか万愚節
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)