ピックアップ同人句 同人とは?
2016年5月
梅の花
折島 光江
- 青空やぽつりぽつりん梅の花
- 鶯や町にひとつのパン工房
- 梅の花土塁の続く空ひろし
- 不揃ひに置かるるベンチ芝青む
- 点呼とる先生の声春の山
あかとき
石井 浩美
- 追伸のほんとの気持ち薄紅梅
- 啓蟄の大地ひびかすダンプカー
- 潮時を考へてゐる朝寝かな
- あかときの寄居虫家を出るつもり
- 風光る廊下傷つきやすくあり
霾ぐもり
川島 茅酔郎
- 啓蟄や道路工事の削岩機
- 人口の減りゆく町や納税期
- 転校の記憶たどりし春の土
- 一円貨膨らむ財布春深し
- 文字化けの受信メールや霾ぐもり
筆順
万木 一幹
- 新宿の蒼き夜空や鳥帰る
- 梅東風や丁寧に書く保証欄
- 税申告厚き医療費領収書
- 蛇穴を出づコピー紙の裏のメモ
- 筆順のいつもあやふや春の雲
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)