巻頭句 巻頭とは?
2024年7月
巻頭句
江成和子[神奈川]
- ❖ 撮りつくすいのちのかたち花は葉に
- ぼうたんのいのちうけとり眼のちから
- 万緑や古木の芯の見せ所
- ❖ 蜘蛛の巣の奥の奥なり大宇宙
- 蝸牛ひとり歩きの戦後かな
次巻頭
工藤呎子[埼玉]
- ❖ 緑の夜母の二年の闘病誌
- みちのくの一村挙こぞり桜の夜
- 新入児雨の迎へもたのしかり
- ❖ 風船の角揺れ母をおどろかし
- チューリップ難聴の子のメモあふれ
三席
須藤かよ子[千葉]
- ❖ 馬小屋に馬の表札春疾風
- えきねつとあやつる指や若楓
- ❖ たんぽぽの綿毛納税通知来る
- 万緑や人の窪みの残る草
- 若葉風コーヒーカップの湯気ゆらぐ
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)