巻頭句 巻頭とは?
2023年11月
巻頭句
久保 たんぽぽ[東京]
- ❖ 犬の耳ずれて垂れをり盆の月
- 寝ころびて両手の巾の天の川
- 新涼やひとり暮らしのハウツー本
- 昨夕と同じ献立轡虫
- ❖ フラスコの縁のふつくら赤蜻蛉
次巻頭
谷村 康志[埼玉]
- ❖ 遺されし未完の画布に月明り
- 真実を告げられ釣瓶落しかな
- ❖ ミサイルの発射のニュース大根蒔く
- スナックにひとつ音痴や秋の蠅
- 露けさに車椅子押し五色沼
三席
春山 枝実子[群馬]
- ❖ 病床の父へはげまし西瓜切る
- 黙々と働く父の汗の粒
- ❖ 湯浴みせし卒寿の父のハミングよ
- 鶏頭や生家へのぶる山の影
- 八月や遠き日の母水打てり
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)