巻頭句 巻頭とは?
2019年10月
巻頭句
髙𣘺 ビスカス [新潟]
- ❖ 花殻をつみて花まつ楸邨忌
- 好物の鰻に母の笑みのなし
- 夜遊びの蚊の姥つれて帰りけり
- ❖ 大虹のひと色足りぬ拉致の海
- 黙祷の鐘の残響雲の峰
次巻頭
濵野 美芽 [神奈川]
- ❖ 涼しさや遺言へ記す樹木葬
- ❖ 少食の母へ一折鰻飯
- 炎天やあれこれ求む母の服
- 空蟬の爪に命の力かな
- 喜雨走る洗濯物の竿の面
三席
内野 義悠 [埼玉]
- ❖ 朝涼のたてがみ梳かれ駿馬逝く
- 昼寝覚言の葉束ねられずをり
- ❖ 月涼しだれも渡らぬ交差点
- 晩夏光グラスの底の鏡文字
- アルプスの星の止まり木キャンプの灯
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)