2026年2月
ほむら通信は俳句界における炎環人の活躍をご紹介するコーナーです。
炎環の炎
- 総合誌「俳句」(角川文化振興財団)2月号の「作品12句」に田島健一が「光源」と題して、〈遠くからきて白鳥を縛る線〉〈昆虫文学凍土に熱のあり〉〈家中の明かりを消すと聞こえる火事〉〈穴食べて重さの狂う冬の鹿〉〈タツノオトシゴ愛されて水洟がでる〉〈光源になりたし褞袍着て自撮り〉など12句を発表。
- 総合誌「俳句界」(文學の森)2月号の特集「50代俳人~新たな気づき」に田島健一が寄稿、〈白菜となまけて眠る寿命かな〉〈去り際の分からぬ鶴の待ちぼうけ〉〈女子高生氷柱の鍵を隠し持つ〉など6句を発表し、ミニエッセイとして〈松尾芭蕉は五十歳で亡くなりました。五十代とはそういう歳ですね。年寄りとは言いませんが、もう若くもなく、いつこの世から消えてもおかしくない歳です。人はいつかこの世から消える。つい、忘れていました。俳句は「ことば」で、それは象徴的で仮想的なものですが、その「ことば」は身体を基礎としています。身体が無くなれば、新たな「ことば」も失くなる。そのことを、近頃あらためて感じるようになりました。少し焦ります〉と記述。
- 「第27回隠岐後鳥羽院俳句大賞」(島根県海士町)が2025年11月28日、応募総数462句(一般の部)から選者3名(石寒太氏・稲畑廣太郎氏・小澤實氏)それぞれの特選1句、準特選1句、入選20句、佳作20句を基に、大賞等各賞1句ずつ計4句を決定して発表。
・石寒太選「入選」〈秋雨に濡れて夜参り隠岐神社 鈴木経彦〉
・石寒太選「佳作」〈人絶へし御火葬塚は虫時雨 鈴木経彦〉 - 「第26回隠岐後鳥羽院俳句大賞」(島根県海士町、2025年3月21日)
◎「角川『俳句』編集部賞」〈楸邨の句碑に陽の斑や小鳥来る 鈴木経彦〉=石寒太選「準特選」、小澤實選「入選」
・石寒太選「佳作」〈ハゲ山の深き霧裂き牛の面 鈴木経彦〉 - 「第26回常陸国・小野小町文芸賞」(茨城県土浦市)が、審査員3名(大竹多可志氏・角谷昌子氏・大西朋氏)それぞれが選んだ28句を入選とし、その中から大賞1句、優秀賞7句、秀逸20句を決定して、1月18日表彰。
○「優秀賞」〈軽トラの荷台に神輿過疎の島 鈴木経彦〉 - 総合誌「俳句四季」(東京四季出版)「四季吟詠」
・上田日差子選「佳作」〈金秋や二十五メートルその先に 奥野元喜〉
・山本鬼之介選「佳作」〈あした咲く蕾を残し木槿散る 森山洋之助〉
・森清堯選「佳作」〈図書館の裏道を急き竹の春 小野久雄〉 - 総合誌「俳句」(角川文化振興財団)2月号「令和俳壇」
・星野高士選「推薦」〈横顔も素顔も知らず鳥渡る 小野久雄〉=〈この内容は誰に向かって言っているのか、頭上を渡っていく鳥に対する思いなのか、面白いところであるが、いずれにせよ俳句の上で大事な挨拶として斬新であった。渡鳥の無事を祈る心情がよく伝わってきた〉と選評。 - 総合誌「俳壇」(本阿弥書店)2月号「滑稽俳壇」
・八木健選「特選」〈ドーナツを食べて歌うやレモンのレ 奥野元喜〉=〈声に出して読むと軽快なリズムの気持のいい句である。童謡の「ドレミのうた」の歌詞のことだが、「ドーナツを食べて歌うや」のあとに「レモンのレ」が来るとは予想させない。下五を読んで、ああそうか!と読者を楽しませてくれる〉と選評。 - 朝日新聞12月14日「朝日俳壇」
・小林貴子選〈焼芋が好き世話焼きはもつと好き 小澤弘一〉 - 読売新聞1月12日「読売俳壇」
・小澤實選〈宿題のマフラー母が編みにけり 髙橋郁代〉 - 産経新聞1月15日「産経俳壇」
・宮坂静生選〈ライバルと囲む寄せ鍋黒田節 谷村康志〉 - 日本経済新聞1月17日「俳壇」
・神野紗希選〈鐘のなき寺の一灯除夜の雪 谷村康志〉 - 東京新聞1月18日「東京俳壇」
・石田郷子選〈聖夜の灯教員室の灯も消えず 谷村康志〉 - 毎日新聞1月19日「毎日俳壇」
・井上康明選〈カトレアや物故者欄に同期の名 谷村康志〉 - 東京新聞1月25日「東京俳壇」
・石田郷子選〈宝石のやうな雨降る弥撒始 谷村康志〉 - 産経新聞2月5日「産経俳壇」
・対馬康子選〈身寄りなき人を看取りて聖樹の灯 谷村康志〉 - 総合誌「俳句」(角川文化振興財団)2月号付録『季寄せを兼ねた俳句手帖2026〈春〉』が《イヤホンを外して春とまた繋がる 百瀬一兎》《春の潮押しのけフェリー接岸す 小野久雄》を採録。