2014年7月
ほむら通信は俳句界における炎環人の活躍をご紹介するコーナーです。
炎環の軸
- 石寒太主宰の講演・吟行等のご予定
7月10日(木)多摩句会にて吟行
7月22日(火)東京都調布市愛とぴあ講座「深く知りたい俳句・俳人」にて講演
8月29日(金)シンポジウム「井月と放浪の俳人たち」(長野県伊那市)にて講演 - 総合誌「俳句界」(文學の森)に石寒太主宰が連載中の「牡丹と怒濤――加藤楸邨伝」。7月号は「第16章 激情家・草田男の不可解さ」。中村草田男が、楸邨の戦争責任を追及した「楸邨氏への手紙」についての論考。筆者(寒太主宰)は、この「手紙」の内容に深く疑念を抱き、当時の関連する文献を掘り出して精査します。さらに7月号では、〈生き残って〉いる人の〈証言を得〉るために、金子兜太氏をも訪ねます。資料や証言から分かってくることは、「手紙」が必ずしも事実に基づいていないことや、草田男自身がそれ以前とは明らかに態度を変えていることなどで、〈草田男の楸邨批判について考えていくと、その複雑さは考えるほどに不可解で、分かりにくさを増してゆくばかり〉と、筆者は、さまざまな角度から、疑問を読者に投げかけます。
炎環の炎
- 東京新聞6月8日「東京俳壇」鍵和田秞子選〈淋しさは避暑地の隅の狸の眼 片岡宏文〉
- 朝日新聞6月2日「朝日俳壇」長谷川櫂選〈そら豆の色は地球の色なりし 池田功〉
- 朝日新聞群馬版4月15日「上毛俳壇」水野眞由美選〈淡色の背広着て春わたしより 大澤徹也〉――〈「背広や春は」と俳句の省略と切れを活用する方法もある〉と選評。
- 毎日新聞6月23日「毎日俳壇」大峯あきら選〈桐の花一休みしてまた歩く 辺見孤音〉――〈桐の花が咲く道の散歩。美しい花を見上げて休む。「桐の花」が適確〉と選評。
- 愛媛新聞5月21日のコラム「季のうた」(土肥あき子氏)が〈頬杖や街が勝手に夏になる 関根誠子〉を取り上げ、〈オフィスやデパートが並ぶ都会、はなやかなショーウインドー、マネキンはすっかり夏の装い、はじける笑顔。それは夏へと強引に背を押されているようでそらぞらしく、街と自分との距離がますます遠いものに感じられる〉と鑑賞。
- 総合誌「俳句界」(文學の森)7月号の「投句コーナー」西池冬扇選「特選」〈ふらここのたがひちがひに大空へ 山口紹子〉――〈二つの鞦韆が交互に空高く舞う単純な景。平明だが明瞭で動的なところが心地良い〉と選評。
- 総合誌「俳句界」(文學の森)7月号の「投句コーナー」角川春樹選「秀逸」〈傷つきし日のフラスコに風信子 山口紹子〉
- 機関誌「現代俳句」(現代俳句協会)7月号の「『現代俳句年鑑2014』を読む」に齋藤朝比古が寄稿。感銘の一句として〈木枯や家に電気がついている 前田光枝〉を取り上げ、〈そこはかとない懐かしさ、昭和の薫り。あの頃、照明器具は総じて電気と呼んでいた。木枯し吹く中、家で待ってくれている人がいることを再確認している作者、希少な幸せ〉と鑑賞。
- 機関誌「現代俳句」(現代俳句協会)7月号の「『現代俳句年鑑2014』を読む」で加藤光樹氏が感銘十句抄に〈踏む音のカタカナめきて霜柱 三輪初子〉を選出。