主宰句 2025年10月 天城抄(十) 石 寒太 父へひとつ母にふたつの螢かな うたた寝の母の寝覚めや夜の秋 烏瓜ふたつ妻への土産とす 大百足非の字のしつぽ跳ねてをり 調律の前風鈴のちりり鳴り 幾たびも師の文読みし霧の夜 父の屍の目尻の泪明易し 母の恋問ふこともなし風の盆 2025年9月