主宰句 2025年5月 天城抄(五) 石 寒太 死に神のまた顕れし亀鳴けり 小さき掌のひとつ触れをり牡丹の芽 花杏母と旅せる記憶なし 胸薄き棺へひとつ石鹼玉 母ひとりあの世に待たせおぼろかな 明るき句つくれ遺せよ木々芽吹く ペンキ屋の空き缶積まれ春の雲 自転車を駅に忘れしおぼろかな 2025年4月