ピックアップ同人句 同人とは?
2025年8月
大夕焼
竹市 漣
- 五月闇古古古古米の話など
- みちのくの「河童伝説」夏きたる
- 夏布団干して連山立ち上がり
- 夕焼の窓のひろびろ島の宿
- 父逝きしあの日と同じ大夕焼
足跡90
坂根 若葉
- ひとしきり薔薇の館となりにけり
- 迎へ梅雨橋のたもとの常夜燈
- 初螢父と歩きし田圃径
- 葉桜の枝より下がる「治療中」
- 解体の始まる屋台祭あと
白日傘
保坂 螢
- L E O 十四世の序章の一歩風薫る
- 頂上へ小さき靴ずれ鹿の子百合
- 断りし旅の口実梅雨に入る
- 術前の獣医師いつもアイスティー
- 川ふたつ越えし見舞ひや白日傘
風薫る
綿貫 春海
- 母の日や遺詠の色紙いろ褪せし
- 墓に一輪の赤きカーネーション
- 父の忌の天へひらきし朴の花
- 鷗外の旧邸カフェや風薫る
- 首傾げ我に蹤く鳩たちあふひ
つん
このはる 紗耶
- 昇進に興味なきひと麦の秋
- 夏蝶のつんと曲がつてゆきにけり
- 省かれてをりし連絡ソーダ水
- 月涼しゆつくり小骨取り除く
- よびかけで結ぶメールや花うつぎ
夏の緑
山田 清明
- 淡き濃き濃き濃き淡き夏の山
- 病院の小さき窓より夏の木々
- 駅からの長き参道青嵐
- 夜勤明け二分で寝落つ木下闇
- 阿呆面の恋煩ひや旱梅雨
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)