ピックアップ同人句 同人とは?
2025年7月
筋肉
田島 健一
- 学術のひらめき雲雀飲み込みぬ
- 清潔な石おおいなる春の虹
- 寄居虫の眠れば波を生むちから
- 明け方や波から海女へつづく色
- 新緑の筋肉わたしの丈夫な骨
家郷の風
縄 文人
- ゆくとものかへるぼこくやはなははに
- つまねむるほうばのしろきみづばせう
- ははのひやかつてのははのぐちあまた
- ちちあれしかきやうにきたりわかばかぜ
- ひめたけのねもとまがりしせうねんき
木の芽晴
小咲 まどか
- 祠ひとつ抱き桜の降りやまず
- 引越のミニバン桜舞ふ小径
- 目借時団地横切る長元坊
- 知らぬ鳥の鳴き声美濃の木の芽山
- ひび入りの黄瀬戸茶碗よ雉子鳴く
リラ冷え
栃倉 千江子
- リラ冷えや口笛吹けば鳥の声
- 朝の陽や吾に微笑む更紗木瓜
- 和平あれ右手に乗せる春キャベツ
- 春の愁ひカカオ九割チョコレート
- ランチタイム兎に青菜一枚を
風薫る
長谷川 のり子
- つちふるや道路切り取り工事中
- 荒磯の石ひとつ積む春の昼
- 富士遥拝所上がりつつ聞く初音かな
- 風薫る富士二合目のマリア像
- とほくより空晴れて来し初鰹
検査室
三倉 十月
- ビニールの傘よく光り復活祭
- 小手毬や椅子やはらかき検査室
- 億万の先祖の欠けず春の星
- 開校の一五〇年花は葉に
- こゑ張りし村人B や青嵐
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)