ピックアップ同人句 同人とは?
2016年1月
扉
柏柳 明子
- 雪すこし昔の時間連れてきし
- 池袋めまひのやうに黒ブーツ
- もう一つ扉のありぬ冬銀河
- 聖歌隊駅前に夜降りてくる
- 袋菓子雑に開けられ年の暮
拳
宮本 佳世乃
- 凩や拳の向いて光立つ
- 駆足のメールの奥の冬林檎
- カッターの入りし鞄銀杏散る
- 日記買ふ指が後輩めいてきし
- たいせつな一月峪の最中なり
寝返り
近 恵
- 秋入日たち止まるため橋へ行く
- 根を出すどんぐり基本的人権
- 黄落の中へ寝返り大きく打つ
- 偽物の傷膿んでいる冬隣
- 雨合羽重し白鳥よく鳴いて
海桐の実
中島 登美子
- もう一度はじけてみたし海桐の実
- 鉦叩催促なしの借用書
- 吟行の一人離れしゐのこづち
- 川底を見せふくらみし水の秋
- 一食の解凍三分昼の虫
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)