ピックアップ同人句 同人とは?
2015年7月
啓明抄(一九七)
齋藤 朝比古
- 雨音のすこしおほきくチューリップ
- 杖つきて父の紛るる櫻かな
- 風船の割れて重たくなりにけり
- 春眠の徳ある顔をしてゐたり
- 惜春の船から舟の離れけり
一号古墳
松本 平八郎
- 吉井町一号古墳雉子鳴く
- 春の雷句会欠席電話かな
- 信玄の愛馬の祠堂花の雨
- 老木の植樹の由来花万朶
- 落花ひとつ首なし羅漢の肩の上
春満月
神宮 安見子
- 無欲いちばんの骨壺の文字花三分
- うぐひすや俺にはおれの一流儀
- 満開のうこんざくらや主なし
- 同級生つどふ命日春深し
- 露天湯にひとり頭上の春満月
知夫の春
鹿島 釣人
- 一年生二人のクラス初つばめ
- うぐひすに制圧されし知夫里島
- 妻一歩先ゆく家系春の風
- ハンガリー舞曲の五番おぼろ月
- 飛鳥IIとどめ耀ふ春の海
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)