ピックアップ同人句 同人とは?
2014年7月
影残す矢26-5
山田 庫夫
- 大牡丹小さきは羽化の刻いたる
- 草団子食ふた食ふたと恙なし
- 八十八夜神代に生まれし木
- 脚太き女は損か夏は来ぬ
- 善光寺春の草花鉢に乗る
つつじ
增田 明美
- 赤色灯かざす警棒つつじ苑
- まうすこしゐたいといへぬ躑躅の夜
- 闇けづる躑躅灯かりへ出でにけり
- 念ふこと咀嚼しきれず夕躑躅
- ところせましと躑躅のドレス舞踏会
馬頭琴
こがわ けんじ
- 初つばめ影の重たき素十句碑
- 草餅や白き窓辺のシベリウス
- 研ぎあげしナイフの一つ春夕焼
- 夢に弾くモリンホールや柿若葉
- 天上の良寛の声花うばら
立つ
藤 幹子
- 夏立つやコルク敷きつむ標本箱
- 五月とは今踏みたての蟲の腹
- 揚羽には蛹の時代街宣車
- ががんぼの大飛行なり昇降機
- 毛虫焼く生きにくくとも憐れむな
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)