ピックアップ同人句 同人とは?
2016年7月
日本蜜蜂
野﨑 タミ子
- 分蜂の日本蜜蜂濡れてをり
- 崖下の藤の花屑川の音
- 青田風肘引き上げて一万歩
- 若冲の深紅の鶏冠五月雨
- 柿右ヱ門の朱き櫻や散る櫻
雷門
辺見 狐音
- 春塵や雷門の仁王像
- 一人居は都内に多し夏の昼
- 望郷のこころときめき揚雲雀
- 老鶯や能登半島の棚田あり
- 泡ひとつ二つ三つつよ山椒魚
老犬(三)
伊藤 航
- 老犬の寝るほかはなき日永かな
- マンションの子の部屋あたり春灯
- 犬の背の点滴速し花曇
- ブロンズの髭に花びら利根運河
- 旅立ちし愛犬ジュディこどもの日
つくしんぼ
原 紀子
- てのひらに残るぬくもりつくしんぼ
- 生薬の匂ふ抽出し花ぐもり
- 花冷や口開けて見る観覧車
- 若葉冷問診表のボールペン
- 花筵犬にピンクの席ひとつ
尾骶骨
前島 きんや
- ラーメンへ胡椒一振り春灯
- 弁当売る赤き幟や緑の日
- 春の灯や百円ショップの付け睫毛
- 尾骶骨痒し八十八夜かな
- 先生の軽き靴音藤の花
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)