ピックアップ同人句 同人とは?
2018年2月
崩れ簗
大畠 響
- 石子積の苔のきららか崩れ簗
- かみあはぬ二人となりし後の月
- 躓ける人影ひとつ今朝の冬
- 人見知りする子指さす冬苺
- 着ぶくれて終着駅のコンコース
鉦叩
下田 恭子
- ふつくりと桔梗の莟待つ明日
- 常の道少し違へて糸瓜棚
- ひとにぎり散歩途中の草の花
- 間の長きショートメールや秋寒し
- 鉦叩き昼夜問はずの仕事ぶり
眩しさ
近 恵
- 空を見るマフラーぐいと緩ませて
- 愚図愚図と褞袍を脱いでいるところ
- 白タオル一本雪見露天風呂
- 妄想も込みの思い出冬の凪
- 木の幹の眩しさよクリスマス来る
冬たんぽぽ
葉月 さより
- 音たつる外階段や小楢の実
- 三次元のシャガール世界冬の虹
- 雪催双手につつむティカップ
- 人類の肥満六億冬の雷
- 冬たんぽぽ表札なべてをとこの名
秒針
長濱 藤樹
- 冬青空宇多先生がやつて来る
- 頭振るをんなの癖よ花サフラン
- 寒柝やすこし傾く白鳥座
- 秒針のほのとむらさき冬の夜
- 河馬の毛のまつすぐに立つ今朝の冬
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)