ピックアップ同人句 同人とは?
2017年12月
十六夜
三輪 初子
- 挙げた手の下ろす重さや賢治の忌
- 十六夜や計れぬ余生窓あかり
- 赤い羽根立候補者の胸のうち
- バス停へ駈け出す一歩体育の日
- 数ふるも八つなかりし八頭
尼僧の門
小嶋 芦舟
- 初紅葉ふたりの席の予約札
- 百年の母校再編竹の春
- 長命の尼僧の門や赤蜻蛉
- 改装の出島の遺構椿の実
- 名刀に隠れしクルス秋の暮
赤とんぼ
波田野 雪女
- 墓を去る人につき来る赤とんぼ
- 産土に魂帰り来よ赤とんぼ
- 今朝の秋青墨にほふ修二の詩
- 虫時雨父の音痴の子守歌
- 越え来たり吾も旅人十六夜
草臥れし
中島 登美子
- 住み替へのベッドタウンや月鈴子
- 改装のメニュー残りし子規忌かな
- 草臥れし帽子花野に置き忘れ
- 豊の秋の一念発起ダイエット
- 舌下錠の一粒二百十日かな
運動会
豊永 裕美
- 小鳥来る道着は海の色をして
- さかさまの分母が団栗をこぼす
- まだ新鮮な流星を拾ひけり
- 空集合して灰色の運動会
- せんそうは嫌鶏頭が増えるから
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)