ピックアップ同人句 同人とは?
2017年2月
釜山
萩尾 亜矢子
- 摩天楼のゆらめく玻璃や冬かもめ
- 温突や一服盛られしごと寝落つ
- 朝食の河豚汁たぎる市場かな
- 鮟鱇や釡山訛りの聞きかじり
- 冬うらら醤油の甕の醤油色
山手西洋館
山口 紹子
- 教会の扉重たし冬薔薇
- エリスマン邸の朝や暖炉に薪焼べて
- からつぽになりて影踏む落葉踏む
- ウェディングの準備中なり冬樹の芽
- 神の留守橋の向かうは中華街
枇杷の花
壬生 きりん
- 園児らの昼寝の時間枇杷の花
- 新しき切株ひとつ冬の墓
- 皇帝ダリア子の家のはや灯りをり
- くわりんの実あふれてゐたる鳥のこゑ
- 年の瀬や笑顔の美しき人に会ふ
壌歌(五十一)
宮田 孝平
- 短日の垂直にあり水のうヘ
- 冬林檎太宰治の背の真直ぐ
- 古書店の小さき間口冬の山
- 灰色の菫といふバア鰤起し
- 垂直に立てる水筒冬の月
ビッグアイランド
鈴木 まんぼう
- 火の島のうすき噴煙冬銀河
- 大溶岩原天狼星は真上なり
- スーパムーン二円切手の兎かな
- 海へ落つ山の背あたり時雨かな
- 大統領選関りもなし神渡し
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)