ピックアップ同人句 同人とは?
2016年12月
白花曼珠沙華
榎本 慶子
- スタートの濃き白線や野分晴
- 尖りたる結界石や曼珠沙華
- 「異議あり」の挙手や白花曼珠沙華
- キチキチの空の軋みやテストの日
- いつまでも抜けぬ訛や秋刀魚焼く
モノクロの風の
真中 てるよ
- 花すすき軍用車過ぐまた過ぐる
- もの言はぬ猫の両耳天高し
- 隣室より赤子のこゑや金木犀
- 栗おこは理論好きなる女かな
- モノクロの風の絵本やからす瓜
昼病む赤福
中嶋 憲武
- 直角に曲がりウエイトレス霧へ
- 赤福の凹み鶴折る鶴来たり
- 秋扇ソフトウエアに昼病むひかり
- 金木犀こぼれ不気味の谷育つ
- 傾いてゐて飛行の理由なき夜空
チェロの薄埃
竹内 洋平
- 十三夜鳴らさぬチェロの薄埃
- 爽やかやインクの匂ふたなごころ
- 贋作の壺のほのぼの秋夕焼
- 爽やかに悪筆の文来たりけり
- 客叱る女理髪師鳳仙花
智弥子の風
北 悠休
- 背中押す智弥子の風や秋の天
- 小鳥来る一字厳しき師の教へ
- 菊膾酒は飲むべし詠ふべし
- 鶏頭花朱唇のひかり信じたし
- 師の招く花野の先へピエロかな
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)