ピックアップ同人句 同人とは?
2016年11月
夕立雲
稲見 寛子
- 紙一枚翔ぶや天城の夕立雲
- 秋深しエミール・ガレの緋のシェード
- 塾の子の「ただいま」エントランス月
- 積み了へし引越の荷や鰯雲
- 消灯の管理人室轡虫
星月夜
鈴木 友寄枝
- かなかなやなかなか逢へぬ人の文
- テロップの地震速報林檎剥く
- 注射跡の腕の青あざ朝の蟬
- 花木槿ビルに挟まる一軒家
- 星月夜ピアノに向かふリボンの子
敬老日
高木 みさ女
- 盲導犬残して散りし秋の駅
- もう次の弔ひがあり秋の蝶
- 意のままにならぬ世の中ゆやけ雲
- 人生を座りなほさう敬老日
- 秋近し足より老いの始まりぬ
下段
上山根 まどか
- 秋澄むや吊革に伸ぶ手術痕
- 豊年の戸に立てかけし猫車
- ベビーカーの下段どつさり濃竜胆
- 仲秋の最も美味きところ捨つ
- 柿朱しおそらく吾の入る墓
新生姜
北原 麦秋
- 神生れし窟なりけり天の川
- 敗荷や時に休めと父の声
- 何一つ不足の無けれ新生姜
- 舞台より一人づつ去り虫の声
- 秋桜両手に抱へ赤づきん
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)