ピックアップ同人句 同人とは?
2018年7月
朱き石
秋山 裕美
- たんぽぽを残して終へる庭掃除
- リラ咲くや義父の髪切る指の先
- 眠くなる劇場の椅子春しぐれ
- 春の雨止みたり土の匂ひかな
- 青あらし廃線跡の朱き石
梨の花
神戸 優子
- 桜蘂降るふる白きすべり台
- 返事待つふたりの黙よ梨の花
- 菜園の外れ二本の葱坊主
- 先頭のだんだん遠し橡の花
- 老犬の赤きバンダナ夏来る
足跡 ⑥
坂根 若葉
- 蝌蚪の群れ地中に眠る活段層
- 木の芽風鴉ばかりの探鳥会
- 海市追ふ只ひたすらに漕ぐ少女
- 春愁や消えぬ明かりの窓ひとつ
- 残雪嶺甲斐駒埴輪展示室
室の八嶋
高橋 桃水
- 霊気吐く室の八嶋の若葉風
- 神木の銀杏に登る青蛙
- 夏めくや室の八嶋に人面魚
- 白つつじコノハナサクヤヒメの香よ
- 若葉風大神神社の金御幣
ホルモン
肥後 直美
- コーネンキ障ガイの害大南風
- 水中花自律神経戻りをり
- いづこより突然変異浮人形
- 万緑や怒りのひとつ忘れをり
- 白服やホルモン焼きの立飲み屋
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)