ピックアップ同人句 同人とは?
2018年6月
犬の遺影
伊藤 航
- ポケットの犬の遺影よ朝ざくら
- 啓蟄や三面鏡の無精ひげ
- 花冷や子の胸少しふくらみぬ
- わが歳と同じD51花吹雪
- 花菜摘み妻の帽子の消えにけり
蜃気楼
川島 茅酔郎
- 花虻や睡魔の落す文庫本
- 蜃気楼友のひとりは薬剤師
- 吃音に耳傾けし朧の夜
- 蝌蚪曇り空缶空瓶回収日
- 花の昼老いの妄想ひろごりぬ
嗽
小佐井 芳哉
- 春の月階下の電話鳴り止まず
- 小気味よき髪切る音や目借時
- 囀りに合はせし朝の嗽かな
- 一篇の詩に身を切られ春疾風
- 木仏の厚き瞼や木の芽風
サッカーボール
千葉 楓子
- 卒業のかたまりあへり聖少女
- 大空へサッカーボールつくづくし
- かをり立つ味見のスプーン木の芽和
- 蜃気楼港の見える丘公園
- 春日光梢はなるる番鳥
要6
松本 美智子
- 欠席のメール送信鳥帰る
- ミモザ積む軽トラックや石畳
- 失ひし記憶の行方春の水
- 恐竜の卵を孵す春の夢
- 貧相な犬の毛並みや金盞花
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)