ピックアップ同人句 同人とは?
2018年4月
朝寝
中尾 硫苦
- ひとときの朝寝夢を欲しいまま
- 春霞男体山のドレス・アップ
- 春立つや田舎の菓子の展示会
- 春光のまぶしき朝夢砕く
- 曲るたび春浅き風と思ひけり
フラクタル
山崎 彩
- 円心の座のひとつ空き雑煮椀
- 初鏡うしろの遺影笑みてをり
- 戌年の犬のもふもふ寒あかね
- 飽食の胃の腑の凭れ初てふてふ
- 春月も地球も円し拉致いまだ
踊り場
縄 文人
- 梟を描けば泣ける乱吹く今朝
- 春の夢郷へいざなふ白狐
- 春の雪右は義足の妻に逢ふ
- 車椅子の目線で活けしチューリップ
- 踊り場にしばし佇むシクラメン
スーパームーン
横山 惠子
- あかあかとスーパームーン二日かな
- 四日はや指先丸く汚しけり
- 星冴ゆる琉球硝子の海の色
- 寒月夜何やら足らぬ物ひとつ
- うかうかと夢にひたれり冬すみれ
素心臘梅
宮岡 光子
- 天井画の金の剥落実朝忌
- 手を借りて降りる石段深雪晴
- 素心臘梅風と光のこぼれをり
- 野良猫に分ける干魚寒北斗
- きさらぎや片膝立ての奪衣婆
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)