ピックアップ同人句 同人とは?
2017年10月
無色
岡田 由季
- 秋の宵舞台小さく使ひけり
- 猫の道犬は通れず鳳仙花
- 秋の昼ほぼ無色なる化粧して
- 注文と違ふ色鳥来てゐたり
- 白秋や水回りより家古び
月涼し
小熊 幸
- ラッシュ時の2番ホームや月涼し
- 花茗荷雨の匂ひの朝かな
- 見開きの競馬新聞三尺寝
- たたまれてゆくクレーンや大西日
- ホットケーキのまあるくありし原爆忌
茄子
丹羽 晶子
- 茄子は浮き胡瓜は沈む桶の渦
- 欠席の0のためらひ驟雨来る
- 矢車草土足で上がる画家の家
- 読めぬ文字読めないままに墓洗ふ
- ゲル状に眠る老猫パリー祭
木槿
谷村 鯛夢
- 子のあくび母にうつりし晩夏光
- 目つむりし夜涼の母の丸さかな
- 救世軍清瀬病院夜の秋
- 墨痕の止め撥ね払ひ涼新た
- 一日を律儀に畳む木槿かな
残暑
飯沼 三和子
- 水打つや青山通り京菓子舗
- 行く夏の西新宿に別れけり
- ちぎれ雲とがりてゐたる残暑かな
- 高階の夕餉静けし盆の月
- 碧深き旅の絵手紙秋立てり
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)