ピックアップ同人句 同人とは?
2017年1月
遊人句日記抄
島 青櫻
- 残る虫さみしくあらば夢に来よ
- 夢に来て明かす一言親鸞忌
- 思ひ出せぬ夢の道筋冬霞
- 夢の世の色なき山河冬の蝶
- 冬の虹夢と現のあはひより
鶏頭
三角 千榮子
- 夕星を数へて待てりみあれ祭
- みあれ祭児童総出の鼓笛隊
- いつの間に老犬の座す大花野
- 隕石の話に夢中大花野
- 鶏頭の種のひしめき午後の鬱
酷薄
西川 火尖
- カレー食ふときの無防備冬近し
- 団栗を拾はせるから落ち着いて
- 冬の山人死ぬときの静電気
- 受け取つて忘年会のチラシかな
- 冬の蚊の途中まで潰されにけり
月
武山 こゆき
- 脚萎えし老犬と行く良夜かな
- 脇息にもたるる窓べ居待月
- 十五歳の犬の熟寝よ二十日月
- 十三夜義母の最期の「ありがたう」
- 帰らざる月夜の仔犬今いづこ
熊野連峰
新宅 待春
- 色変へぬ松や人生短かすぎ
- ふるさとの熊野連峰秋澄める
- 東大の自転車置場帰り花
- 揺れてゐる草に秋蝶とまどひし
- 峰割りて峡へ木霊す秋の滝
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)